プエルトリコのトカゲの仲間
2014年6月8日〜12日の期間にプエルトリコにてSMBEミーティングがありました。学会の内容は未発表データを含むため、ここでは紹介できませんが発表の合間の休憩時間に会場周辺でアノールを中心としたトカゲの仲間を観察することができましたので紹介します。
プエルトリコでのSMBEミーティング
日本から行くにはプエルトリコは遠く、羽田を離陸してから24時間後にプエルトリコのサンファンの空港に到着しました。写真は乗り換えのアメリカの空港での朝焼け。
学会の会場はリゾートな雰囲気のホテルでしたが、学会は朝8時から夜9時まであり会場は発表中暗く、冷房が効きすぎていて20度くらいなので、全くリゾートな感じはありませんでした。
そのような缶詰学会の中で、唯一よく観察できたのが会場周辺のトカゲの仲間でした。写真は地上を歩き回って餌を探す種。
グリーンイグアナ。草葉ばかりでなく低い木にも登って葉などを食べます。
今回観察できて、とてもよかったのがアノールの仲間。適応と種分化の研究対象です。こちらはTrunk-groundという生態の種。木の幹の高さ~1 mほどのところに下向きにくっついてます。幹や地面の昆虫などを捕食していました。オスの方が高い場所にいて縄張りを持っているようでした。この種は木陰に生息している種。生息場所の好みがとても高く、少しでも日なたになると生息していませんでした。この生息場所の好みがカルブ海でのアノールの種分化につながっているのではないかという感触をつかみました。
上のTrunk-ground木陰種の成熟オス。頭の後ろから尻尾まで”たてがみ”のようなひだが延びています。
Trunk-ground木陰種のオスが喉袋をひらいて求愛しているところ。なかなか撮れない写真です。
Trunk種。木の幹に生息する生態です。
Trunk種もオスが喉袋をひらいて求愛しているところを撮影できました。
Trunk-ground種
両方の種を比べると喉袋の色彩パターンが異なることがわかります。この違いが種の認識、種分化につながっているのかもしれません。どちらの種も木陰に生息しますが、喉袋をひらくと驚くほど鮮やかで目立ちます。
Trunk種
日なたに近い環境のTrunk-ground種。こちらのオス(右)はたてがみがありませんでした。
トカゲ以外の生物
ハト?
歩いていたら頭を攻撃してきた鳥
ホテル裏の海で干潮時にいたサンゴ
触手をわさわささせています。
唯一見たオカヤドカリ
ブロメリアの地上種。着生種は見られませんでした。
懇親会会場:オールドカジノ
懇親会会場はオールドカジノと呼ばれる歴史ある建造物で行われました。もちろん現在はカジノではありません。正面も中も豪勢で裏庭は静かな庭園となっており、そこから海賊防御に使われた砦が見えました。懇親会費のほとんどは会場費に使われていた気がします。
懇親会会場が終了してホテルに戻ったのが午後11時半。それから3時間後にホテルを後にして帰国の途につきました。