タンガニイカ湖産シクリッド ゲノムDNAの共同利用

 長年にわたり、タンガニイカ湖のシクリッドの調査研究を行ってきた京都大学の堀道雄先生が2012年度に退官されました。退官の際に「多くの研究者がこのサンプルを利用してシクリッド研究と進化学が発展するように」という、お言葉とともに私にそれまで収集されましたDNA抽出用サンプルを託されました。

 現在、それらのサンプルをデータベース化する作業を進めていまして、まだ情報が完全ではありませんがβ版を公開しました。


タンガニイカ湖産シクリッドゲノムDNAのご利用を希望する方は私(寺井)までご連絡をお願いいたします。少数のサンプルならばこちらで組織を切り出して発送いたします。数が多い場合は、お手数ですが総研大までご足労願いまして組織の切り出しをお願いいたします。


  データベース化にご協力して頂きました方々に感謝いたします。

    サンプルのリスト作製:大阪市立大学    田中宏和さん

               総合研究大学院大学 伊藤宗彦さん

    データベース作製:  科学技術振興機構  大波純一さん

 大学院生や若手研究者が論文上で公正に評価されるための論文作成方法

 大学院生や若手研究者の中で、論文のデータをだして解析し、論文を執筆して投稿、リバイスまで行っても、論文の中で低い評価しかされないという経験をした方は少なくないのではないでしょうか?そのようなことが続くと研究を続けても業績はなかなか増えず、優秀な研究者の芽を潰すことになり、最終的には科学の発展の妨げになってしまいます。

タンガニイカ湖産シクリッドDNA抽出用サンプルのデータベースhttp://togodb.dbcls.jp/yterai

ゲノムDNAサンプルのご利用を希望する方は以下のアドレスまでお願いします。

yoheyt<>adaptive-speciation.com

<>の所はメールアドレスに必要なマークです。

 ここでは現在私が行っている、論文を作成していく中で、論文への貢献度によって論文の中での評価が決まり、大学院生や若手研究者が公正な評価を受けるための論文作成方法を紹介したいと思います。

 論文は誰かが中心となって作成し、書き上げていることと思います。中心になった人をとりまとめ役として、著者の順番と責任著者の決定は、論文完成後にしています。

 論文完成後に著者全員に論文を送って内容の確認と必要に応じた追加の校正をお願いしています。この時点では著者名はアルファベット順で並べ、別紙に著者がどのような内容で論文に貢献しているか、つまりauthor contributionを全員分作成しリストアップします。

 さらにauthor contributionの後ろに、論文のサンプルに責任の持てる人、解析に責任の持てる人、結果に責任の持てる人、など論文の内容別に責任の持てる人をリストアップします。解析に2人とかがあってもよいです。

 ここで「責任が持てる」の意味が重要となります。この場合の責任とは、論文が掲載された後にその内容について問い合わせがあった場合に責任を持って答えられるということです。その研究を本当に行った人だけが責任を持つことが可能となります。


「研究費を出した」とか「ラボのトップだ」などは、この場合の責任には当てはまりません。日本では伝統的に上記の2つを責任著者の理由としている場合が多いですが、これは実際に研究した人を隠れさせてしまい、公正な評価の妨げになるので気を付けましょう。

2、author contribution

3、責任

1、著者順と責任著者は論文完成後に決める

4、著者順と責任著者を決める

 上記の2, 3を完成した論文とともに著者全員に送り、author contributionと責任を著者全員に確認、必要に応じて加筆してもらいます。この著者によて確認と加筆を行われたauthor contributionと責任を元に著者順と責任著者を決めます。最大の貢献をした著者が2名もしくは複数いた場合は、共筆頭著者を設定します。内容の責任が分かれた場合は、複数の責任著者を設定します。

5、著者順と責任著者の確認

 著者順と責任著者を決めた後に、その情報を論文に組み込み、再度著者全員に送り確認をとります。責任著者は責任が重く、研究不正などがあった場合は全責任を取らなければなりません。責任著者が「私は知らなかった」では済まされません。そのため、本当に研究を行った人だけが責任著者になることができるので、その人が隠されてしまうことを防げます。

 このようにして著者と責任著者を決めれば、研究を行った人が公正な評価を受けることができると考えています。研究者の公正な評価に少しでも貢献できればと考えています。

研究協力

メンバーhttp://adaptive-speciation.com/Site/menba.html
HOMEhttp://adaptive-speciation.com/Site/zhong_fen_huato_shi_ying_yan_jiu_shao_jie.html
野外調査記録http://adaptive-speciation.com/wild/wild.html
研究の成果http://adaptive-speciation.com/Site/yan_jiu_cheng_guo.html
研究の協力http://adaptive-speciation.com/Site/yan_jiu_xie_li.html
プロトコルhttp://adaptive-speciation.com/Site/purotokoru.html
所在地http://adaptive-speciation.com/Site/suo_zai_de.html
リンクhttp://adaptive-speciation.com/Site/rinku.html