スラウェシ島での野外調査
ここでは、2017年のスラウェシ島での調査の様子を簡単に紹介します。
インドネシア、スラウェシ島には7種のマカク属の固有種が生息しています。これらの種は遺伝的に近縁なため、霊長類の種分化の研究をするための最適な研究対象となります。2017年10月に以前一度訪れたことのあるマナドにMacaca nigraの調査に行きました。
スラウェシ島の固有のマカクの調査
ジャワ島、ボゴールでのワークショップ
スラウェシ島、マナドへ
今回のインドネシア訪問には2つ目的があり、1つはジャワ島のボゴールで行われたワークショップに参加して、スラウェシマカクの研究の発表をすることでした。もう1つはマナドでのマカクの調査です。ワークショップの行われたボゴール農科大学は、何度も訪れています。
いつも泊まるアマリスホテルで楽しみな朝食。
鳥のおかゆの上に香ばしいトッピングと辛いソースをかけて食べます。
ボゴール農科大学のワークショップ会場。
広くてよい会場でした。
暗くてわかりずらいですが、最前列はソファーが並んでいます。
VIP用でしょうか。
ワークッショップ二日目の夜は、植物園の中のレストランでディナー。
風が吹き抜けて、気持ちよい場所でした。
ボゴールではホテルに泊まります。
電気、冷房、お湯のシャワー、WiFiなど完備されて、快適に過ごせます。
スラウェシへの航空便は、いつも朝早いので空港近くのホテルで前泊します。
そして午前3時半にホテルを出発です。
マナドに近づくと上空からでもサンゴ礁が見えます。
このあたりは自然破壊もなく、すばらしいサンゴです。
マナド到着。
タルシウス(メガネザル)はマナドのシンボルのようです。
到着したら、早速調査へ。
熱烈歓迎
マナドの風景
村に入っていきます。
ウシとサギ
目的地へ向かいます。
けっこうすごい犬歯をしてます。
小猿は遊ぶのが好き。
M.nigraには クロザルというシンプルな和名があります。
その名の通り黒いので、写真に写すのが難しいです。
暑い場所では、こまめな水分補給が大切です。
M. nigraに特徴的なヘアスタイル。
humanとも仲良くグルーミング。
数ヶ月前に山火事があり、これらの個体は群れからはぐれて、村で保護されているということでした。
保護区の近くの村の宿。
宿なのに、なぜかホームステイと書いてあります。
M.nigraの野生個体は保護区で見ることができます。
そのため、保護区の近くの村へ移動しました。
この宿のベッドには、蚊帳がついてました。
かなり嬉しい。
一応、携帯型の一人用蚊帳も持参しています。
地元の研究者が、海に面した別荘?に招待してくれました。
窓から海が見えそうで、快適そうです。
別荘の前の道で、どこからか「プギーー」という鳴き声が聞こえてきました。よく見るとこの袋。。。
ブタバッグです。
袋の隅から、ブタが鼻を出しています。
ブタ輸送用だそうです。
歓待されているのがわかる飲み物です。
ガラスの容器に入っているのはパームワインを蒸留した蒸留酒。
中央のビン、「KASEGARAN」は、地元のワイン。
アルコール14%の表示が疑わしく感じるアルコールの濃さです。
ちょっと紹興酒のような香りも。
奥はインドネシアのビールです。
今回のインドネシア調査が最も美味しかったもの。
巨大なカマスだな、って思いながら一口食べると、
香ばしい焼き魚の香り、
きめの細かい上品な肉質、
塩だけで味をつけているのに、ほどよいうまみ。
最高の魚の塩焼きでした。
ちなみに、後で来た人が「バラクーダ」って言っていました。
どうやら、バラクーダの若い個体だったらしいです。
確か毒があったような???、と思いながらも
地元の漁師が食用にしてるなら大丈夫だろうと思って
美味しくいただきました。
次は野生のM. nigraです。
4年ぶりの、この保護区。
外国人は高い入保護区料を支払うことになっていました。
入ってすぐに見かけたトビトカゲ。
足に皮膜がついていて、滑空することができます。
マヅルの短い面白い顔をしてます。
少し歩くと、移動中のM. nigraの群れに遭遇。
保護区のせいか、人に無関心です。
黒すぎて、簡単には露光が合いません。
後ろから見ると、尻だこが特徴的です。
スラウェシのマカクは種ごとに、この尻だこの形態が異なります。
続々と移動してきます。
そして登場したのが、この群れのボス。
なぜかしばらく目の前で背中を向けて、堂々とたたずんでいました。
ちょっとカッコイイ。
群れのすべてのメンバーが目の前を通り、去って行きました。
最後尾の小猿が置いて行かれないかと不安になりましたが大丈夫でした。
M.nigra以外の哺乳類について
今回の目的ではありませんが、マナドの他の哺乳類も紹介します。
タルシウス。
小さなサルの仲間です。
夜行性なので、目が大きいです。M. nigraと同じ保護区に生息しています。
タルシウスの後ろ姿。
尻尾が長いです。
木の高いところにクスクスがいました。
実は有袋類です。
オーストラリア以外にも有袋類は生息しています。
見つかってしまいました。
高いところから、こちらを凝視しています。
その他の動植物など
ニワトリ。
黒くて暑そうです。
ミズオオトカゲ (だと思います)。
こちらはりっぱなオス。
インドネシアの人が「マナドの料理は辛すぎる」と言っていた
ことがありました。
その理由は、小さな唐辛子「スラウェシ唐辛子」が入っているからです。
こちらは、インドネシア料理にはかかせない「サンバル」。
生のサンバルです。
もちろん、スラウェシ唐辛子入りです。
鮮烈な香りと味がとてもよい、美味しいソースです。
森の中にいた陸生のカニ。
スラウェシの犬。
あまり愛想がよくありません。
道端にはドリアンや、いろいろなフルーツが売っています。
これは?
アルヴォカド?
もしかして、アボカド?
見ていたら、店の人が切ってくれました。
これは、アボカドだ!
近くの食堂で食べてみると「アボカドってこんな味だったっけ?」と
思うほど濃厚な味わいでした。
今回は大学の行事のために、調査の途中で1人での帰国となってしまいました。
関東地方に台風が直撃していたために、乗り継ぎのジャカルタの空港で長い待ち時間
となりましたが、次にスラウェシに来た時の計画を考えていると、すぐに搭乗時刻となりました。