スラウェシ島での野外調査
ここでは、2015年のスラウェシ島での調査の様子を簡単に紹介します。
インドネシア、スラウェシ島には7種のマカク属の固有種が生息しています。これらの種は遺伝的に近縁なため、霊長類の種分化の研究をするための最適な研究対象となります。2015年10月に昨年と同様に、Macaca heckiとM. tonkeanaの調査に行きました。 パルを調査地に選んだ理由はこれら2種のハイブリッドゾーンが近いからです。
スラウェシ島の固有のマカクの調査
ジャカルタの空港で日本人チームとインドネシアチームと合流後、早朝にスラウェシ島のパル空港に移動。
今回は訳あって出発直前に病院に行くことになり、お医者さんにインドネシアに行くなら痛みを覚悟の上で、と言われていたので痛み止めを飲みつつの調査となりました。
M. tonkeana. まだ子供です。
不審そうにこちらを見ています。
ペットボトルのジュースを器用に飲んでます。足も使って。
すぐに仲良くなってくれて、くつしたを毛繕い。
絶滅危惧種なので、パル近郊でペットとしてマカクを飼育している家を
訪れたときは、インドネシアの研究者が絶滅危惧種であること、保護が必要なことを丁寧に説明します。
パルのマーケット。豆などが売っていました。
こちらはフルーツとたぶんキャッサバ。
ドラゴンフルーツ。日本で見るものより大きいです。
ハイブリッドゾーンの北側での調査。M. heckiの分布域となります。
この個体は?
ハイブリッドゾーン近くの森での光景。M. hecki。
ハイブリッドゾーン近くの森での光景。こちらもM. hecki。
M. heckiの方がちょっと顔が怖い気がします。
年をとるとヒトもマカクも同じですね。
ハイブリッドゾーンの南に行くとM. tonkeanaの分布域となります。
庭先にマンゴがなっていました。
スラウェシ在来のイヌ?かわいらしいですが、近づくと私を威嚇していました。
スラウェシ在来のネコ?パルで見たネコは大人でもみんな小さくほっそりしていました。
最終日に地元の大学の方々に招待されて、魚のレストランに行きました。前回の調査でも思いましたが、インドネシアの研究者や地元の大学の方々の協力がなくては、調査も研究も行うことは不可能でしょう。今回私の体調にかなり問題がありましたがそれでも調査の目的を達成することができたのは、日本からの2名の参加者とインドネシアチームの皆様、地元の大学の方々のおかげだと感謝しつつ、インドネシアから帰国しました。
一部の写真は松本くんから提供して頂いています。この場をかりてお礼申し上げます。